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着物大事典
自分で着物の着付けをする場合など、おはしょりがスッキリせずに悩んでしまう人は少なくないでしょう。おはしょりにシワが寄ってしまったり、おはしょりが膨らんだりしてしまうと、とても目立ちます。おはしょりが整っていないと着物のバランスも崩れてしまうため、正しい整え方を知っておくことが大切です。
そこで今回は、最適なおはしょりの長さやおはしょりによくある悩みと解決法、おはしょりを美しく整えるコツなどをご紹介します。軽いポイントを押さえるだけでお悩みは解決しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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おはしょりは、着付けで長さを合わせたとき、腰で合わせたあとに長い部分を折り返してできる部分を指します。実際の見た目では、締めた帯の腰のあたりまで出ている重なり部分を指します。
着物は身体の首から下の長さよりも、長い寸法を着用します。そのため、余った部分をたくし上げるとおはしょりができますが、寸法が短い着物の場合は、おはしょりはできません。
おはしょりの起源は、明治時代にさかのぼります。
江戸時代では、着物の着丈は身丈に合わせて作られていたため、着物の長さを調整する必要がなくおはしょりもできていませんでした。江戸中期以降、身分の高い人が着物の裾を引きずるように着るようになり、次第にその着方が庶民にも広まっていきます。
しかし、明治時代に入って女性も外で働くことが増え、引きずるような着方が時代にそぐわなくなり、着物の長さを調整しやすくするためにおはしょりが誕生しました。
なお、おはしょりという言葉は「端を折る」に由来しています。
おはしょりという余分な部分があるからこそ、適度に着丈の調整をしたり、家族間など、ある程度の範囲の身長の人と同じ着物を共有したりできます。丈の長さを調整し、全体のシルエットを整えられるというのが、おはしょりの最大の役割だといえるでしょう。
また、おはしょりがあることで布に重みを作れるため、安定感が生まれます。これにより着崩れを防止でき、裾が汚れたり傷ついたりすることを防げます。よく着用する着物は裾が擦れて傷んでしまうこともありますが、おはしょりがあることで、裾を切って仕立て直しもできるでしょう。
さらに、おはしょりは着物の格式を表すのにも利用されます。フォーマルシーンではおはしょりを短くして整った印象に、カジュアルシーンなら動きやすさを重視しておはしょりを少し長めに調整してみましょう。
おはしょりをいつどのように作るのか、着物を着る手順を確認しながら見ていきましょう。着物を着るまえに、足袋や肌着、長襦袢などを身に着けておいてください。
おはしょりは腰ひもを巻いたあとに作ります。おはしょりをきれいに整えることで着物のシワが伸びてスッキリさせられます。鏡を見ながら、前身ごろだけでなく後身ごろもきれいに整えましょう。
一般的なおはしょりの長さは約4~5cmです。小柄な方は短め、背の高い方は長めにすると、全体のバランスが良くなります。
また、着物の種類によって最適なおはしょりの長さは異なります。例えば振袖の場合、全体のバランスをとるため長めにするのが一般的です。また、格式が高い留袖はおはしょりを短めに整えます。訪問着はフォーマルなシーンで着るなら短めに、フォーマルなシーンでないなら一般的な長さに整えるとよいでしょう。
おはしょりは着物を美しくみせる大切な要素ですが、きれいに整えるのは難しいものです。ここでは、おはしょりに関するよくある着付けの悩みと解決策を解説します。
着物の着丈寸法が身長に対して極端に長い、または腰ひもの位置が低い場合は、おはしょりが長く残ってしまいます。帯の下に、おはしょりが少し残るのが普通の着付けですが、長さによっては全体のバランスが悪くなってしまいます。
おはしょりが長すぎる場合は、腰ひもを締める位置をウエスト側(上側)にずらしてみましょう。太い腰ひもを使ったり、腰ひもを2本使ったりしておはしょりの位置を上にずらすのもおすすめです。腰ひもの位置がずらせないときは、内側に折り込んで長さを調整しましょう。
逆におはしょりの長さが足りないというお悩みも多く、着物の着丈寸法が身長に対して短すぎる、または腰ひもの位置が高い場合に起こり得る現象です。長い場合は、余った部分を隠すことで対処できますが、短い場合は調整が難しいのが悩みどころです。
おはしょりが足りない場合は、腰ひもの位置を下げてたくし上げる布の量を増やし、長さを伸ばしましょう。腰ひもは、最大で腰の一番太い場所まで下げられます。腰ひもを低い位置にしてもおはしょりが足りない場合は、着物の身丈が身長に合っていないため、着物を替えたほうがよいでしょう。
折り返してできるおはしょりは、水平に整えるのが美しい着付けです。しかし、長さを調整したときに腰ひもの位置によっては、おはしょりが斜めになることがあります。バランスが悪いため、やり直す必要もあるかもしれません。
おはしょりが斜めになる場合は、まずは腰ひもが真っすぐ結べているか確認しましょう。腰ひもが歪んでいる場合は正しい位置に戻します。斜めに長くなっているほうのおはしょりを上に引き上げて調節するのもよいでしょう。
着物は体形よりも少しゆとりがある寸法で作られているのが一般的です。そのため、着付けると多少はシワが寄る場合が多いでしょう。しかし、体形よりも身幅が極端に広い着物を着用した場合、余った布の行き場がなくなり、おはしょりにもシワが寄りやすくなってしまいます。
おはしょりがシワになる場合は、余っている部分の生地をしっかり脇に寄せて折り込みます。おはしょりの下に手を入れて、できているシワを広げるのも効果的です。
おはしょりは長さを決めて腰で結んだあとの、上半身の余りの部分です。折り返しになっているため、きちんと整えないとぼってり厚みが出て膨らんでしまいます。
おはしょりが膨らむ場合は、腰ひもを締めたあと、胸ひもを締めるまえに左の身八つ口から手を入れて下前を折り上げましょう。脇に余ったおはしょりは、タックをとって処理します。それでも難しい場合は背中側にもタックをとり、おはしょりをきれいに整えましょう。
次は、おはしょりを美しく整えるコツをご紹介します。上手になるにはまずは実戦が大切ですので、着付けをされている人はぜひチャレンジしてみましょう。
膨らむおはしょりを解消するには、おはしょりを1枚仕立てにすればよいでしょう。腰ひもで長さを調整したときにできるおはしょりは、折り返しになっているため、二重の布が重なっています。そのままでは厚みがでてしまうため、襟元に右手を差し込み、右前身頃(着る人から見た場合の左側の身頃)部分を腰ひもの位置から胸の方に下から捲し上げます。
そして、残ったおはしょりは左前身頃(着る人から見た場合の右側の身頃)のみになりますので、一枚仕立てでスッキリとします。なお、捲し上げる際には、襟元がずれないように左手で襟を固定しておくのがポイントです。
おはしょりの長さはある程度、腰ひもで調整できます。おはしょりが長くなってしまう場合は腰の高い位置で結び、短すぎる場合は腰の低い位置で結びます。もし、腰ひもで調整しても長い場合は、伊達締め(だてじめ)のなかに入れて調整することもできます。ほんの少し調整しただけでも長さは変わりますので、試してみましょう。
おはしょりの位置で悩む場合は、腰骨の位置を一つの目安にしましょう。腰骨よりも極端に長いと長すぎます。帯下よりも5~6cmほど、おはしょりが見えているのが理想的な長さです。
なお、おはしょりを調整するのは、帯を着けるまえとなります。腰ひもでガッチリと固定したあとや、帯を着けてからは調整が難しくなり、無理に直そうとすると着崩れを起こす可能性もありますのでご注意ください。
ここまで、おはしょりの作り方や整え方を解説してきましたが、おはしょりをきれいに整えるには着物選びにもこだわるのがおすすめです。そこで、着物初心者でも手軽に着物を楽しめる「VASARA」の着物レンタルサービスを紹介します。
何度手直しをしてもおはしょりがきれいにできない場合、そもそも着物の寸法が自分に合っていない可能性があります。おはしょりによってある程度の寸法を調整できますが、極端にサイズが合わない場合はどんなに着付けが上手な人でもおはしょりをきれいに作ることはできないでしょう。
きれいなおはしょりを作りたいなら、着物選びからこだわるのがおすすめです。着物の身丈は身長±5cmが理想とされており、これより短すぎたり長すぎたりする着物を選ぶのは避けましょう。
なお、体格や体形によって理想的な身丈は異なります。いくつかの丈の着物を試着して、自分に合った身丈を把握しておきましょう。
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今回は、おはしょりの役割や整え方、よくあるトラブル事例と対処法を解説しました。おはしょりがきれいに整っていないと着物全体の印象が悪くなってしまうため、今回紹介したコツをふまえて、着付けに挑戦してみてください。
なお、着物の丈が長すぎたり短すぎたりすると、おはしょりはきれいに作れません。自分の身丈に合った着物を選ぶことが、きれいなおはしょりを作るための第一歩だといえるでしょう。
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